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巻の鍛冶屋さん。

巻は、おととい大雪でした。
おとといの朝起きたら信じられない景色が広がっていました。
全国ニュースでも巻のある新潟市西蒲区が映っていたそうです。

一日経ってこれですから、おとといはもっと
すごかったんですよ。

蔵も地面の雪と同化して
真っ白です。

おとといの朝は家から出れないほどの雪でした。
こんな身体ですから、私も妊娠中の妻も雪退けできずそのままで
未だに車も埋まっている状態です。これはどうしようもありません。。

そんな中どうしても行かなければならないところがありました。
翌日は天気がよかったので、そこまでなんとか行ってきました。
そことは巻にある鍛冶屋さんなんです。
自宅で使っている包丁の歯がボロボロで全く切れなくなり
妻が料理できないということで研いでもらいに行ってきました。
巻にある「袖山鍛冶屋」さんです。
袖山さんは県内で唯一の刀鍛冶職人でもあります。
刀の材料でつくる刃物は切れ味抜群です。
見たことのない機械がたくさんあります。
包丁、鎌、ナタなどを主に作っています。
持っていった包丁は機械を替えながら
何度も磨いてもらいました。
この包丁は何年か前に袖山さんからいただいたもの。
私の妻いわく、この包丁を一度使ったら
市販の他の包丁が使えなくなるようです。
自宅でもほとんどこの一本しか使いません。
研いでもらった包丁の切れ味は抜群です。
研ぎ終わった直後に袖山さんが自分のあごにその包丁を当てて
ヒゲを剃ってみせたくらいです。
袖山さんとは私が鯛車の活動を始めてからのお付き合いです。
先日ブログでも書きましたが私は曾おじいさんが竹切り用で
使っていたナタを母の実家で見つけ、初めて鯛車を作りました。
そのナタには「兼光(かねみつ)」という焼き印が押してあり
この「兼光」を探したところ袖山さんにたどり着きました。
このナタは袖山さんのお父さんが作ったナタだったそうです。
ただ、その名前の入れ方を見て袖山さんが50年前に
自分が働きだしたばかりの時にお父さんと一緒に作ったナタだと
いうことがわかりました。
もう7年も前のことですが、この時ばかりは身震いしたのを
はっきり憶えています。まさかの出会いでした。
そのナタはたまに袖山さんに研いでもらいながら今でも
竹切りに使っています。今度写真アップしますね。
現在、袖山さんは奥さんと2人でこの鍛冶屋をやっています。
おそらく2人とも70歳近いと思いますが、バリバリの現役です。
数年前に私よりも若い、袖山さんのお孫さんが
この鍛冶屋を継いだのですが、諸事情で今は青年海外協力隊で
海外で働いています。
でもきっとお孫さんはいつか帰ってきてもう一度
この仕事に就く気がしますし、続けてもらうことを信じています。
これは誰にでもできる仕事ではありません。
私は代々受け継がれる血が、職人の手を動かすような気がします。
この刀を作る技は絶対に後世に残してもらいたいですね。
袖山さんの刃物は巻で買えます!
袖山さんのお店に並んでます。
お店は巻の本町通り(諏訪神社近く)にありますので
興味のある方はぜひ使ってみてください。
ちなみに私がいただいた包丁、30年は軽々使えるそうですよ!!

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