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後継者

今日は鯛車と少し離れた話題をお届けします。
ただいま鯛車復活プロジェクトはオフシーズンに入っています。
そんな中やらなければならないことは山ほどあるのですが、
息抜きもたまには大事ですね。

年末に駒場にある日本民藝館に行ってきました。

入るのに整理券が必要なほど
混み合っていました。

年に1度、出品作品が買えるということもあり
民藝ファンが大勢集まります。
この日は開店前なのに400人以上が並んでいました。
若者もたくさんいました。
そして今回出品した我が町、巻を代表する袖山鍛冶屋さんの刃物です。
準入選以上で販売されます。この刃物たち、出品した全てが準入選して
販売されました。眺めているとすぐに売れていきましたね。

今から3年前に初めてビームスに鯛車を扱ってもらった年に
バイヤーさんに袖山さんの包丁をお土産に持って行ったところ
この民藝館展に出さなきゃ駄目だ!、君たちがなんとかしなきゃ駄目だ!
と、指令を受けました。
現在の民藝ブームを作ったバイヤーさんの目は間違いなくて
見事に刃物は評価され、そして昨年わざわざ巻にお越しいただき、
職人さんがつくっている刀と一緒に包丁なども観ていただきました。
外から評価されて、袖山さんもとても喜んでいましたよ。

そして今年もさっそく、うかがいました。
こんなカワイイ子も入り口にいましたね!
尾が長いのが特徴の、尾長鶏です(そのまんまですが。。)
以前、網だけで狸に食べられてしまったので
ガラスをつけてありましたね。
これでもう安心。
工場に飾られた正月飾りが良い感じ。
この日は雪が積もり寒かったのですが、
年期の入った薪ストーブで
ポカポカでした。
そして今回の一番の目的は
自宅で使っている包丁の研ぎをお願いしたんです。
袖山さんの包丁はプロの料理人でも
30年はもつそうですよ。
これが材料ですね。刀は現在2本製作中でした。
やはり刀の話しになると袖山さんの目つきが変わります。

暖炉の前に腰掛けながら袖山さんから色々とお話を聞くことができました。
昨年から若い女性が弟子にしてほしいと何度も通って来ていたそうです。

ただ、まだ若くて独身の方だったので、
刃物づくりだけで食べて行けるようになるには時間がかかり、
袖山さんには責任が負えないので来る度に断っていたそうです。
その方は何度も粘って通ったそうなのですが、
年末、就職して県外へ行ってしまったとのことです。
ただ袖山さんは後継者は欲しいとずっとお話されていました。
自分の技は後世に伝えたい、でも現実問題この仕事で食べて行くのは難しい。
とても辛い心境のようでした。
私は後継者にはなれませんが、後継者を探す役目は
担っていきたいと思います。簡単なことではないのは重々承知ですが。
前にもここでお話しましたが、
竹細工職人だった私の曾おじいさんのナタからこの袖山さんに辿り着きました。
これも何かのご縁と感じます。
想いのある人、こだわりの強い人に継いでほしいです。

袖山さんの帰りに私のお勧めの和菓子さん
たけうち」でこの花びら餅をいただきました。
この時期限定ですね。あいかわらず美味!

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