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新たな出会い

A new encounter.

先週、お世話になっているビームスのバイヤーさんから
電話があり、とあるHPで紹介されていた竹細工が新潟にあり
ものすごく綺麗なので見てきてほしいと言われました。
しかも実演がまもなく終わってしまうということで
私も行くから!と電話越しなのにとても熱い様子。
いつも冷静なバイヤーさんの様子がいつもと違う。

翌日ちょうど会社が休みだったので
その竹細工職人さんに直接会いに行くことに。
私がついた頃にはちょうど実演が終わり
職人さんが帰ろうと支度をしているところでしたが
なんとか捕まえました(汗)
製品もほとんど売れてしまっていたのですが、
下の写真のものだけが残っていました。
それがこちら↓

見た瞬間、丁寧な仕事ぶりに驚きました!

竹ひごの強弱で模様をつけています。
そして黒竹も見事に使い分けています。
竹の肉(皮の緑ではなく内側のこと)の部分は
この時期の竹でないと経年変化で良い色が出ないとのこと。
そして一番嬉しいことがこちら!
なんと私たちが鯛車教室で使っている竹ひごも
作ってもらえることになりましたよ。
今使っている竹ひごのサンプルがたまたま車に入っていて
見せてお話しすることができました。奇跡!!
プロジェクトのみなさん、嬉しいですね!!
いつもお願いしている職人さんが高齢のため、
なかなか無理なお願いができなかったのですが、
もう一人作れる方がいるのならとても心強いですね!
鯛車の今までの活動をお話ししたらとても共感していただき、
協力していただけることになりました。
買い付けに行くまでなかなか遠いですが、
これも大事なご縁かと思います。
この職人さん、小さい頃から竹細工職人だったお父さんの近くで
竹細工の技を見て育って、2代目として継いだようです。
職人歴は20年だと言ってました。
まだお若いのでこれからが楽しみです。
今まで何人かにお願いしてきましたが、
断られたり、活動をうまく理解してもらえなかったりしたのですが
今回は会った瞬間、この人だ!と思えたくらいです。
長年悩んできたことが一気に解消された感じです。
それにしても写真1枚でこの技を見極めたバイヤーさんの
審美眼や恐るべし。

竹屋さんと鯛車教室初日。

久しぶりの更新です。
お盆以降、休みという休みをとっていなかったのか
身体が弱っていたせいか、帯状疱疹という病気にかかりました。。。
初めて知ったのですが、小さい頃の水疱瘡の菌が残っていて
それが急に疲れやストレスによって発症する病気のようです。
あと半月ズレていたら来月のガルベストン行きが
アウトだったかもしれません。ホントに病気は怖いですね。

今までどんなに突っ走っても意外と大丈夫だったんですが、
どうもこの歳になると昔のようにはいかないみたいです(汗)

とは言っても約束は守らないと。
この日はガルベストンへ持って行くための
竹ひごが完成したということで
受け取りに竹職人さんのところへ伺いました。

これが工房の様子。この空間大好きです!
竹の匂いで身体がリフレッシュ(笑)

なにやら作っているところでした。
先は細く、持ち手のところは太くなっています。
これは!? そして職人の伊藤さん若返ってる??
もう90歳近いのにステキです!

お祭りにこの竹ひごを束ねて、
このように造花をつけて使うようですよ。
世の中いろんなモノがあるんですね。

そして翌日から鯛車の秋教室がスタートです。

秋晴れの中スタートです。
ちなみにこれは巻の蒲原ガスのガスタンクに
ペイントされた鯛車なんですよ。

今回も満員御礼です!
20名の方が参加してくれました。

こちらは前回からの参加者、もう手慣れたものですね!
そのお隣は前回先生デビューした本多先生。
こちらも余裕が感じられますね!
新しい生徒さんももちろん参加されていますよ。
初心者は大きな鯛車づくりからのスタートです。

小さい鯛車をつくっている生徒さんは
3回目以降の参加になります。
小さいほど鯛車は難しくなります。

教室が終わると町の苗工場で感謝祭があったので

行ってみることにしました。

ビニールハウスの中に野菜や果物など
様々なものが売っていました。
そして弱った身体に生卵が良いということで
お昼はここの卵かけ御飯と豚汁にしました。
黄身が真っ黄色で美しい。
こういうイベントっていいですよね!
元気が出ました。

…to be continued

巻はよい天気です。

巻では久しぶりに雲が一つもない青空が広がっていました。
まだ自宅療養中の私ですが、今日は午後から病院だったので
その前にプロジェクトの長嶋さんの車に乗せていただき、
鯛車に使う竹ひごをもらいに私の母の実家へ行ってきました。

昨年11月に竹細工の職人さんへ竹ひごづくりを習ってから
長嶋さんは毎日必ず1〜2時間は竹ひごづくりの練習をしていたそうです。
(詳しくは→https://taiguruma.com/blog/2011/11/blog-post_15-4

今回は練習用の竹をもらいに行ったのでした。

母の実家には大きな竹林があります。

以前にも書いたかもしれませんが、私の曾おじいさんは農家で
冬は竹細工職人として農具で使う竹かごや、魚をとるためのビクなどを
作っていたそうです。
私が生まれる前にはすでに亡くなっていましたが、
大学生の時、初めて鯛車を作ることになったことで
曾おじいさんの存在を知ることができました。
8年前の夏、飛び回る蚊と対決しながらここに生えている竹を切りました。
曾おじいさんが残してくれたナタを使い
自己流で竹ひごをつくり、ナタの重さで腕がパンパンになった経験が
あったから今の活動があるのかなとここに来る度思います。
曾おじいさんとは1度も会ったことはないけれど
ここにある竹と、残してくれた道具があるので
とても近い存在に思えてきて、とても不思議な感覚です。
いつも野菜が吊るしてあります。
秋には干し柿なんかもあって、この感じが大好きです。
ナタなどの刃物を研ぐ機械のようです。
なんと、まだ動きます。
さっそく始まりました。ここに生えている竹は
孟宗竹と言って肉厚の竹で、春になると
竹の子がたくさんとれるんですよ。
竹をとる時期は少し遅れていますが、
練習用としては問題ないと思います。
水を多く含んでいるためすぐに切れました。
伯父さんが作った花器です。
家の玄関に飾ってありました。
味があって良いですよね。

今回はあっという間に終わりましたが、久しぶりの外は天気も良く
とても気持ちよかったです。私はただ見ているだけでしたが。。。

長嶋さんは竹ひごづくりがずいぶん上達したらしく、
3月くらいには竹ひごづくりのワークショップを
開いてみんなにおしえられるそうです。なんと頼もしい!!
近い将来、みんなで巻の竹を使って鯛車が作れるかもしれません。
できれば鯛車の材料は全て地元の素材で
作れたらと思っています。なんか贅沢な夢ですかね。

職人の技。

先週土曜日にプロジェクトの長嶋先生と二人で
いつも鯛車の竹ひごを作ってもらっている職人さんのお宅へ
竹ひご作りの修行へ行ってきました。

職人の貴重な技をおしえてもらえるということで
お礼は鯛車しかないと思い、作ってもっていくことにしました。
初めてお会いした6年前、
いつか自分の納得した鯛車が作れるようになったら
プレゼントしたいと思っていたんです。
遂にその時が来たんですね。

しかし、先週は会社が大忙し!!
毎日少しづつ作るはずだったのですが全く作れず
金曜は久しぶりに徹夜をしてしまいました。
若い時と違って体力がない分、ヘトヘトです。
このヘトヘト具合で果たして竹ひご作りを
習得することができるのでしょうか。。。

すごく喜んでいただきました。

翌朝9時から竹職人の伊藤さんのお宅でレッスンは始まりました。
伊藤さんは三条で竹の製品を作っています。
竹カゴ、ザル、凧に使う竹ひごなど様々なものを手がけます。
戦後輸入品が増え、まわりに多くいた竹細工職人はどんどん
辞めていったそうですが伊藤さんだけはひたすら
この道を突き進んできました。

私は今まで伊藤さんが作った作品を見てきましたが、
どんな小さなものでも仕事の質は変わりません。
竹ひご1本とって見ても指に竹が刺さらないようにケバをとっています。
そんな伊藤さんの丁寧な仕事ぶりに心を打たれた人たちが
私たちのように竹ひご作りを教わりに来ているそうです。

今月切った竹で
山から数人でトラックを使い、運んだそうです。
まず竹を上から割っていきます。
伊藤さん仕様の鉈。
歯がすり減っているところから
相当使い込んだことがわかります。

なんと鉈をもう1本の指に向かって動かしているではありませんか!!
そんなことしたら血だらけになるのでは!?
案の定、私の指はすっぱり切れてしまいました。
職人の技を1日で習得できるはずがありません。
伊藤さんが今まで言葉で竹ひご作りを語らなかったのが
ようやくわかりました。まさかの手順ですもん。
これは経験してみないとわかりません。
伊藤さんの鉈と竹がふれあう音が一定で、ものすごいスピードで
竹ひごが出来上がっていきます。
流石です。私たちも目の前でひたすら割きました。
指がボロボロになりましたが、手順だけは憶えることができました。
あとは練習あるのみ!
次回来る時は少しでも上達してきたいと思います。
伊藤さん、お忙しいところありがとうございました。
今回の修行の経緯は、いつまでも伊藤さんの力に頼らないようにと
決めたことです。竹が豊富にある巻の町でも必ず竹ひごは作れるはず。
本当は巻に帰ってすぐにでもプロジェクトのみんなに
竹ひご作りを伝えたかったのですが、この手順だけおしえても
みんなが病院送りになるだけです。。。
翌日から長嶋さんと各自で少しづつ竹ひご作りを始めました。
練習して、みんなにおしえられるようになったら
竹ひごのワークショップをしたいですね。
その夜は会社の元同僚の結婚パーティーに
出席してきました。
やっぱり結婚って良いですね!
とても楽しいひとときでした。
二人ともお幸せに☆

日曜日の午後。

日曜日の鯛車の作業が終わった後に
これから始まる教室で使う材料の買い付けに行ってきました。

いつもお世話になっている竹細工の職人さんのお宅に
向かったのですが、そこは自宅から1時間近くも離れている町でした。

車を運転していると、その途中で知り合いから電話がきて
近くの施設の駐車場に入りました。
電話が終わって駐車場を出ようとすると
何か変な感覚に陥りました。

これはどこかで見たような風景??
なんだかすごく懐かしい。

そこはなんと20年以上も前に自分がたまに遊びに行っていた
市民プールでした。
私は20年くらい前にこの町の近くに住んでいたことがあったのです。
どんどんと記憶が蘇ってきて、プールの帰りに自販機で食パンを
母から買ってもらって食べてたのを思い出して
何も用もないのに施設に入ってパンの自販機をさがすと・・・

ありました!ありました!しかも最後の1個!
ただ袋にシールが貼ってあるだけのシンプルな食パン。
でも味はすごく美味しかったです。
小さい時に美味しかった味の記憶って今でも一緒なんですね。
夕方でお腹も減っていたせいかすぐになくなりましたがすごく幸せな時間でした。
プールの中は見れなかったけど屋外の写真だけ撮ってきました↓
さすがにプールの記憶まで憶えてなかったけど
昔はここで泳いだんだろうな。

そのあとは職人さんのお宅にお邪魔して竹ひごを注文してきました。
久しぶりにお邪魔したのですが、最近まで入院していたそうです。
元気になって本当に良かったです。
職人さんとは7年前に出会って以来、鯛車に合う竹ひごのサイズを何度も作っては
検討して使いやすい竹ひごの厚さ、幅を一緒に研究してきました。
始めの頃は私も自分で竹ひごを作っていましたが教室を始めてからは
職人さんにずっとお願いしてきました。後継者がいないのが悩みどころのようです。
今新潟県内には数えるほどしかいないのではないでしょうか。
私の今住んでいる町には昔、籠屋さんや提灯屋さんが竹ひごを
作っていたそうです。
竹ひごに限らず日本の技術が失われていくのは寂しいものです。
工房には加工した竹ひごが積んでありました。

帰りに見た夕日です。
なんだかとても贅沢な一日でした。

「鯛車の修復作業」&「巨大鯛車づくりpart.2」

昨日は町のコミュニティーセンターで
鯛車の修復作業をメンバーで行いました。
2009年の「水と土の芸術祭」で100台の鯛車をみんなで作ったのですが
様々なイベントで展示されたり、引っ張られたりしたため
和紙が切れたり、色があせたりしたものが数多くありました。
今は巻文化会館のロビーに飾ってあるのですが
人目につくところだし、壊れたままだと鯛車も可哀想なので
教室のないオフシーズンのうちに
修理しようということになりました。

鯛車は骨組みが竹でしっかりできているので、
和紙を剥がして新しく貼り直せばまた復活します。
昔はお盆のお墓参りに向かう道が
今のようにきれいに舗装してなくて、
砂利道などが多かったらしく
夜ろうそくの灯りをつけた鯛車が倒れて燃えることが
よくあったそうです。
ただ、壊れたからそれで終わりではなくて
家に持って帰ってまた張り替えて作り直すということが
行われて、その繰り返しで今の時代にも残ってきたものだと思います。
その精神を受け継ぐためにも私たちにとって
修復作業はとても大切なことです。

自分で作った鯛車は自分で修理するのが決まりです。

鯛車も修理してもらってなんだかうれしそうですね。

昨日は修復作業と同時に巨大鯛車の制作も行われました。
前回に引き続き、竹との格闘です。

前回作った竹ひごをパーツごとに切っていきます。
竹が固いため火であぶってみましたが、、、
きれいに曲がりません。
パーツごとに木枠に竹ひごを刺していきます。

上の写真は竹がきれいにカーブを描いていますが、

ただ曲げるだけではここまできれいに曲がらないんです。
試行錯誤の結果ある方法を見つけました。
ヒントは上の写真の中にあります!
来週はいよいよ鯛車の形が見えてくると思います。
次回もお楽しみに〜

巨大鯛車づくりに挑む!

先週の日曜日からプロジェクトでは巨大鯛車の制作に入りました。
なんと約3m70cmの巨大鯛車に挑戦です!!

これは2005年に3mの鯛車を
修復しているところです。

 

 
なんとこれ↑より大きくなるなんて驚きです。
いったいどんなものができるか今からワクワクしますね。
 
 
まずは鯛車の骨組みになる竹ひご作りです。
竹は4mの長さの竹を間瀬からトラックで運びました。
こんな大きな竹ひごづくりはみんな初めてです。
抱えるだけでもなかなか重いんです。
 
 
 
竹割りはこの秘密の道具!?を使います。
これを竹に当ててトンカチではたいて・・・

 

 
 
みんなで引っ張ると・・・

 

こんなキレイに竹が割れました。
最後に節をナタで削れば竹ひごの完成です。

 

 
初日は何日もかかると思っていた竹ひごづくりが
みんなで知恵を出し合い進めた結果、あっという間に終わりました。
みんなプロフェッショナルですね!
 
次回はこの竹ひごで鯛車の原型になる骨組みを作ります。
次回もお楽しみに〜

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